これ吸う間だけ、笑ってて

「答え合わせはいいから 今夜ふたり夢を見ようよ」

東京輪舞 あれこれ


※ほんとうにほんとうに長い。
※個人の感想です。
※レポではない。ネタバレしかない。考察とか想像とか、とにかく記憶が鮮明なうちにホテルと飛行機で書いたのでご了承ください。
※2回しか観てないからセリフとかの正確性には欠けてると思います。作中で言ってるあんな単語こんな単語をそのまま使ってます。
※景/タイトル/電光掲示板に出てた文言/行為のト書き/人物名 で記載してます
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① 十代と配達員 【新宿、冬】 "交尾する" /カイト・サノマカナ

・いちばん「現代のありふれた若者」っぽい組み合わせ。大声出すマカナを警察くる!と止めるし、多目的トイレに入る時めちゃくちゃキョロキョロするわりに、行為には及ぶ感じがね。善悪の判断は、誰かに見られてるかどうか=他者のジャッジ、って感じめっちゃ今っぽい。
・両手に袋いっぱい、5日分の食料を持ちながらちょっと苦虫噛み潰したみたいな顔したマカナのシーン。処女の価値、食料5日分、5000円ちょっと。みたいな喪失感あった。本当に処女だったのかはわかんないけど、ラストのマカナと対比させたら多分処女。というか少女って感じ。(後々わかるけど何回も関係持ってたあたりカイトお前さあ……ってなるけど、多分律儀に食料くらいは渡してそう。)


 ②配達員と家事代行【渋谷、春】"セックスする"/カイト・ジャスミン
 
・クラブでナンパする常套手段。ジャスミンのあしらい方もそれなり慣れてる(まずクラブに行きなれている)めっちゃワンナイト感出しときながらカイトちゃんと帰ってきたっぽいし、指輪をうれしそうに眺めてたし、これはセックスから始まって愛に繋がったパターンなのかな。まあ1年半後には別れてるんだけど。
・「好きになっちゃうよ」に対して「それって許可が必要?(中略)食欲も性欲も嵐みたいなもんだよ。」って返すカイト、ずっとモテて生きてきたな。
ジャスミン、優しくされたらわりと信じちゃうし好きになっちゃう感じがさあ……日本語ペラペラだし、普通に賢い人だと思うけど、そこは理屈じゃどうにもなれない感じが人間み。いや賢いから色々アレなのか?「男の人信用してない」「カイトのだいじなもの、なにか置いてって。」過去に絶対なんかあったんだなあ、と思ったけど次の3景で答え出てつらい……
 

③家事代行と息子【成城、夏】"手でする される・口でする される"/ジャスミン・ マサ

・成城の実家に住む大学院生、人生のモラトリアムの極み。
ジャスミンが過去に「ラム」って名前で映像に出てたこと、それをダシに関係を迫るのそれがもうAVみたいで、マサの(というか、若くて色々困ってない男の)軽薄性が出てたしジャスミンの事を明らか下に見てるのがひしひし出てた。「わかるよ、そうするしかなかったんだよね、」とかいちいち差別意識ないです感出すし、かと言って「モザイクってなんであるんだろ〜!」のあたりは明らかに脅してる。相手が自分を拒めないだけの切り札もあるし、今日は親もいないし、いつやってやろうかって感じだった。まあ彼氏の話がなんかスイッチの決定打だった気がするけど。それこそAV思考だよね。彼氏持ちの家政婦と、とか、人妻作家と、とか。愛じゃなくてゲームというか、それができた自分が男としてすごい、って感じ。
・マサの前もマッサージしてくれたじゃん、みたいな言い方の感じから察するに以前もちょっとそんな雰囲気になってますよね?(ヤってはないだろうけど、マサが自分に性的な目を向けていることには明らか気付いてたと思う)
 もちろん雇用主の息子だし、過去を知られたっていう絶対的なパワーバランスもあるけど、それ以前に"迫られたらはっきり断れない"ジャスミンのあの、怯えとはまた違った後ろめたさそうな顔……多分、映像の件しかり今までも同じようなこと繰り返してる。なんならラム、って言われて"これはわたしじゃない、だからこれからする事もわたしじゃないから、"って自分に言い聞かせてる。生きていくためなのか、単純に拒めないだけかはわからないけど。それを分かってて暗示みたいに迫るマサのずる賢さな……。
・ト書きでさらりと書かれる性行為。わざわざどっちも明記してる感じ、むごい。明転後、2人とも口拭ってたしズボン直してたのがね……ね。ジャスミン、被害者になりきれないのがなんとなく可哀想だけど人間らしい。

 
④ 息子と作家【数分後】"射精する される ・ エッチする"/マサ・ショウジサヨ
 
 「おいでよ。天文学的かどうか確かめてあげる」
 「お手伝いさんとエッチした?」
 「不可能性より?」「不可能性より。世界は不可能性より可能性でできている」
 「今の世界線は?」「今の世界線の私は、マサくんを欲してる。激烈に。」
・ちょっと成人向けコミック感ある4景。終始エロなんだけど、6景と比べたら健全アバンチュール。サヨ、恋愛論の話を持ち出した感じから見るにマサが1回目すぐイっちゃったから" この子わたしに本気なんだ、"みたいに思った節ありそう。5点の口説き文句も、5点のセックスも全部自分に素直に向いてるから愛おしさある、みたいな。
・サヨ、マサに対して大人の諭し方したり女の誑かし方するけど結局似たもの同士な感じがする。マサは「有名エッセイ作家のショウジサヨとヤれた自分」が好きだし、サヨは「大学院生とアバンチュールしてる作家の自分」に酔ってるとこありません?もう会わない、からの「たまたまジムで出会って〜」とか「世界線 」とか言う感じ。
・嘘が下手って自分で分かってるのに、嘘つくサヨ。なんかちょいちょい少女みたいに不安定。その不安定さがエッセイストとしての才能っぽいけど。でもマサの「お姉さんと話し込んじゃった、って言うのは?」「それはゆくゆくは私の姉にまで嘘をつかせるってこと」あたりは大人の思考回路。
でもタツヒコはなにも気付いてない。おそらく夜8時すぎて帰ったことも、下手な嘘でも疑われなかったんだと思うし、その感じがサヨはさみしかったんだと思う。でも蓋を開けたら結局サヨもタツヒコのことなんてなーんにもわかってなかった、というのが皮肉。
・別れ際のチューからの「だいすき」とか、サヨやっぱりちょっと少女っぽくてかわいい。完全に心許しちゃったんだね……

・「あのショウジサヨだぞ……!」のあとの場転でピンクネオンの「ERO」とにこにこくねっとしてるサヨ、まさにマサの脳内って感じでよかった。好きな人とエッチできた!というよりかは、ミッションコンプリート♡って感じのいやらしさ。
 

 ⑤作家と夫【三鷹、秋】 "愛する"/ショウジサヨ・ヤマナカタツヒコ
 
・愛と性欲は無関係か、ってこの物語の根幹としての問。性欲は欲望、愛は概念(だったっけ?)
・いわゆるDINKS高所得意識高い系カップルだけど、「サラブレッド」ってことはサヨは元々実家金持ちの娘で、タツヒコは一般的(少なくとも両親は不仲)って感じなのかな。タツヒコは対して若干コンプレックス意識ありそう。エッセイストのショウジサヨの旦那、みたいな作った理屈こねくりインテリ感が出てる。
・「この5年間、何度も細かく別れては出逢い直してる。30回別れて、31回目の〜」の件。タツヒコは自分が仕事に集中したいときは友達みたいな干渉しない関係で、自分が燃えたくなったらまた甘い恋愛をする、みたいな今の関係がいいんだな。
 でも結局、それを繰り返すって、恋愛の最初期にありがちないちばん燃え上がる部分だけを何度も再生産してる状態。キマッてる時とシラフを繰り返すのと同じ気がする。

・サヨは未来とそれに伴う自分の変化(子供ができたら、とか)を考えてる。(マサが22歳で5つ上なら27歳設定。会話的に仕事第一、子供は作らない、を話し合いの末選んでの今だけどまだ全然方向転換できる年齢だし)タツヒコはそれならそれでいい、みたいなこと言うけど別に理解ある旦那ではなくただ単に考えてないだけっぽくてしんどい。
 そもそも目の前の相手とのコミュニケーションというよりかは、誰かに自分を肯定してよちよちして欲しいのか?って思った。(そういうとこ、マサとタツヒコは似ててサヨの好みが出てる) ミューズって言うのも「芸術家の創作の源」っていうか、つまりは母性を求めてる感じする。
・サヨは多分すごい愛に生きてて誰かに愛を与えて愛されて生きていきたい(=わりと重ためな女)んだろうけどそれはタツヒコが求めるミューズじゃない、って思ってそう。
・4景でサヨが言っていた「主体性がない女」ってワード。男に振り回されて男でまたそのつまらなさを埋めるような主体性がない女にはなりたくない。実際、自分は売れっ子作家で経済的にも自立してる。でもどこかで、全てをかけて愛して独占してかまって欲しい(=男中心の女)、という矛盾が見える。5景では知的でだけど遊び心もあって、理想の奥さんって感じだった。そのサヨも嘘じゃないけど、多分恋愛においては、ほんとは4景みたいな喜怒哀楽爆発して振り回してずーっと燃え上がってたい感じなんだろうな。
・つまりタツヒコは、愛の本質以前にサヨの本質が見えてない。
 
・「しようか」「したいと思ってた」「思ってたと思ってた」ってなんか、愛はあるけどちょっとなんかやっぱり性欲とは違ったニュアンスの、5年分の情があるからって感じ。愛し合って分かったのはもうこの人じゃ足りない、って事なのつらいし、場転前に明転したらサヨがもうベッドにいなくて、そこを一瞥してから着替えに行ったの良かった。
・微睡みの中で思い出したのが血が出るまでキメセクした(モルディブだっけ?ベニス?ここだけなぜかはっきり思い出せない)新婚旅行なの、笑っちゃうけど多分そこが二人の本当のピークで、別れては出会い直して愛し合ってもそこは越えられなかった感。ほんとはとっくに燃え尽きてたんだと思う。
 「さよ、だいすき」「ありがとう。でも欲しかったのはそれじゃないんだよなあ。」「え?」「おやすみ」「おやすみ」
 あの暗闇のピロートークで、サヨはタツヒコになんて言って欲しかったのかな。愛してる、かな。
 

⑥夫とクィア【品川、冬】 "性交をする" /ヤマナカタツヒコ・ワタヌキマキ
 
・ホテルのスイートルーム、ルームサービスのハンバーガーに薬物。トランスジェンダークィアのマキと、タツヒコ。
・マキのことを愛しているというよりは、サヨより刺激的な、新しいミューズを見つけたって感じ?ファム・ファタールみある。(なんなら君は僕のファム・ファタールだよ……とか言ってそうでちょっとだいぶ嫌。)
そもそもサヨに対してのミューズ、ってなんか 対等なカップルというより自分の1番お気に入りの所有物、無条件な愛情をくれるものって感じ。本人そういうつもりじゃないけど、なんかちょいちょいにじみ出てた。
・マキちゃん、さん、くん。「好きなように呼んで欲しいの、」キマった中で言ってたけど結構重いセリフだな〜って思った。男か女かそれ以外か、あなたの前でどんな私でいるべきか、決めてほしい。ってニュアンスに感じた。または自分が「マキ"ちゃん"じゃなくて、マキ"くん"」としたいって事認めなよ、みたいなニュアンス。マキもタツヒコが望むザ・トランスっぽさを演じてた感じする。
・つまりはあれ全部、精神的前戯って感じ。セックスの前フリ。まあそもそもキマってるからぜーんぶ戯言だし宇宙なんすよ多分。
 
・性交する、なのがまたうまいな〜って思った。セックスともエッチとも違う「性的に交わる」なのがね どっちも使ってるからどっちが抱いた抱かれたじゃない。セックスする、は性行為だしエッチするはちょっとイチャイチャ感ある。
・休憩明けの5景続き、「もう地球には到底帰還できないってかんじっすね〜!」の話し方、キマッてるにしてもこっちが素な感じする。キメセクで自己解放してるの、なにがそうさせた?って感じだけど元をたどれば心の貧困。

・ちなみに高級娼婦でODして死んだ恋人と、前に不倫してたトランスは別人?サヨには死んだ恋人がトランスとは言ってないよね。ODして死んだ恋人のことが引っかかってて、悩んだからトランスと不倫してみた、みたいなニュアンス?でも死ぬほど苦しかった〜のくだりがあったから同一人物?ちなみにマキと出会うまではタチオンリーだと思う。
・マキ、ショウジサヨを存じてた。マキは多分めっちゃ鋭い。だから文体からサヨの事を(なんならタツヒコよりよっぽど)分かってた感じする。で、タツヒコに対してこいつなんにもわかってねえな、みたいな感じ。
 

クィアインフルエンサー【八王子、クリスマス】"セックスしない"/ワタヌキマキ・チャム(=オトナ)

・5景でクリスマスの予定、好きな人と会うっていうのはそもそもチャムを指していたのかそれともとりあえず言ってみただけだったのか。(多分セクマイのアプリでマッチング?それなのにコピペしたみたいな定型文を載せていたチャム、異質で惹かれたのかな。でも一貫して検索したりはしてないと思う。)
・即興セッション、笑っちゃったのも含めて精神的なセックスって感じがしたし、歌にタイトルつけたのはキスマークの代わりみたい思えた。
 
・マキは身体的性別男性、見た目は女性(というか異性装って感じ) 性自認的はQ、恋愛対象は男性?タツヒコはトランスと言ってたけど女性になりたい、って感じじゃなさそう。その時々でなりたい自分になる、みたいな。
・チャム(オトナ)は身体的性別女性、性自認男性の恋愛対象も男性?ジンとの会話でゲイ、って話が出て来たけどなんとなく普通に身体的性別男性のゲイってイメージにならなかった。マキとの会話で「男じゃないです〜!」って言ってたし。(あくまで私の中では。多分そこがよくわからないのがまたよい)配信も顔隠してるし、オトナって名前は本名なのかなあ?って だから「オトナ、って呼んで」「そう呼んで欲しいのね」で互いのありのままをさらけだして、ハグして友達になれた。心が裸になった、って感じ。
・個人的には役入れ替え前の2人が自分自身が理想としている姿、入れ替わった2人が現実の姿、なのかな?とか。「似すぎている」は、どっかでお互いの理想を投影してたのかな?と。色々隠して生きてるチャムと、全てさらけだして生きてるマキ。それぞれの生き方。
 

インフルエンサーと俳優【東京の近く、1月】"関係を持つ"/オトナ・フクモトジン
 
・「世間にバレたらまずいってこと」「不倫してるってこと?ゲイってこと?」「ポリアモリーだってこと」
これはオトナは今の今までポリアモリーだって知らないからジンを妻子がいるゲイだって解釈してたって事だよね。ジンは一言もゲイだと言ってないし(多分ポリアモリーであり、少なくともバイセクでは?と思う)前述したオトナの身体的性別の解釈よってはまた捉え方も変わるし。(性自認男のオトナを抱くならたとえ身体が女だとしても概念的にはゲイ、ということか。)
・「親友とか」「友達!?無理……キスしてよ、」 の甘えた方とか、全体的にめっちゃ恋人っぽい。浮気とかじゃなくて、そういう後ろめたさがない。だって浮気ではないから。
・ポリアモリーだってオトナに言ってなかったから、あからさまにショックを受けてるよ……そりゃあんだけほしいほしい言った匂わせ歌詞みたいの書くんだからショックだろ。同じマイノリティだからワードとしてはわかったけど理解しきれてなくて本気?って聞いちゃう感じが切ない。ジンはオトナに対してちゃんと恋愛感情なんだよね。その若干の齟齬がじわっと滲んでた。
・7景のオトナは女々しいというか、恋してる弱さが出ててめちゃくちゃ良かった。 男だろうが女だろうがそれ以外だろうが恋愛してたら弱々しい瞬間あるよね〜みたいな納得があった。
・関係をもつ=セックスもだけどポリアモリーの恋人、という関係の片棒を担いだって感じ。
・7、8景のワード「関係を持つ」「一緒に寝る」がセックスしたかどうかがちょっと微妙なのが個人的には好き。
 

⑧ 俳優と社長【数日後】"一緒に寝る"/フクモトジン・ショウコ

・ショウジサヨの離婚の話。 「わたしたちは幸せな結婚をし、また別の幸せな形となって離婚しました。だからどうか皆さん、私たちの離婚にあーあ、と思わないでください」多分タツヒコはサヨにカミングアウトして、サヨも話をして、もう2人は燃え上がれないから別れた、って感じ。ここでショウコが「あーあ、」って言うの良かった。サヨは自分が主体性ある女だと思い生きてるけど外野から見たら恋愛脳のエッセイストで、それをちょっと嘲笑うけど、自分のしたいようにできるサヨをちょっとうらやましい、みたいな。でもまだカミングアウト前だからちょっと他人事。

・奥さん多分、ポリアモリーだとカミングアウトされて、勉強もして(自分をわざわざモノガミーと自称したくらいだから)、多分好きな人が出来たら教えて?と約束までして。ずーっと公私共にサポートしてきたけど、どっかで"子供もいるし大丈夫、ちょっと浮気性だと思えばいい"くらいに思ってたのかな。
 好きな人が出来たら言う約束で、今までは言われてこなくて。でも、とうとう言われてしまったから。やっぱり普通の浮気する人とは意味合いが全然ちがって。だから「私と離婚したいの?」って聞いたのかな。そういう事じゃないのはわかってるけど、モノガミー的にはそういう価値観だから。
・自分は泥酔するまで接待して、嫌味もなにもかも流して、フクモトジンに公私を費やしてきた、なのに、好きな人ができた。けど彼を否定したくないしできない。その結果が「私を雑にしないで、ユウト(息子)も、あなた自身も大事にして、その人のことも それはとても難しいことなの」なのめっちゃつらい。もうつらいからやーめた、ができない。社長だし、母親だし。自分だけじゃないものを背負ってるから。
 
・そもそもめっちゃヘテロモノガミー性自認女で、社会的立場もある、「令和的な"普通"の価値観」の塊って感じ。わざわざ自分をモノガミーと言ったり、ジンのセクシャリティを公表することを命より重い、って言ったりするあたりがマジョリティという無自覚的なナイフを振り回してる。
・ジンも介抱して、枕拾って強く抱きしめてキスをして、純度100パーセントでショウコを愛してる。オトナにもちゃんと付き合って好きと言ってキスをねだってる。けど、やっぱりどっかで理解されないつらさ。どっちも本当に大事で愛しているのに、相手はどこかで傷ついてしまう。多分ジンの中でショウコはもう公私共に唯一無二のパートナー(親友みたいですらある)し、オトナは「付き合ってる恋人」って感じなんだろうなあ。
・「眠りましょう。いまは目の前の眠りを全うするの」のあたり、ゆるやかな心中みたいでドキドキした。
 

 
⑨社長と十代【新宿、春】/ショウコ・サノマカナ

 ・音楽とか光の感じが神々しいのは、8景のジンの信仰(祈り、タトゥー)とダブる。さながらマカナは毛布を被った聖母マリア
・1景に比べてマカナから醸し出されるエモーションがすごい。身体を売る中で、いま目の前にいる人と好きなように生きる、って考えになったのが。4景の身体を売る仕事はひどい仕事か?という会話のひとつのアンサーであり、ポリアモリーの配偶者を愛しているショウコに対してのアンサー。めちゃくちゃ純粋だし、多分ショウコはジンさんと重ねてる。ボロ屋(たぶん)で窓から入る光の中でキスした時の「赦し」感たるや……ジンさんは祈って救われた(?)けど、ショウコはここで救われた感じ。
・ショウコ、なんだかんだマカナに対してもほっとけない感出すしそれが社会的強者の無自覚失礼ぶちかましてるんだよな。マジで街で少女に声かけるボランティア相談員みたいだった。LINE交換する?に対して、携帯の電源切れちゃってて、は多分嘘?そこまで関係を深めちゃいけない、みたいな。住む世界が違う、ってどっかで線引きするリスクヘッジ。そこは深追いしないマカナ。
・セックスしたのかしてないのか、いまいちはっきりしないけど、起きたマカナが布団かぶってるからしたのか……?けどしてないような気もしなくも無い。けどまあしたのかな。「私、あなたを買ったの?」「マダムが買ったと思うならそれでもいいよ」あくまでも可哀想だから、泊めてもらったから、手切れというか軽い口止め的なニュアンスでお金を渡した感じ。(足りないよ、とせびったのは言ったらくれそうな人だったからかな、と)   


⑩ ショウコ・工事現場の警備員

・多分9景からの続き。泣いて涙を拭って、携帯に何かを打ち込むショウコ。ジンに連絡したのかな?と解釈した。それがマカナと一夜を過してなにか変わった結果の、ポリアモリーに関することのか、それとも単純な会話かは分からないけど。
・そもそも泣いた理由だけど、なんか涙が出てきたって感じ。マカナに「私の好きなところ、言って」「純粋なとこ」で結局ジンを思い出してるような気がした。それか自分はモノガミーだけど配偶者以外と関係を持った(?)ことへの罪悪感なのか、少しはジンの気持ちを理解できたのかな?という自分への問いかけなのか。
・警備員と会話した後の、始まるかもしれないし、はじまらないかもしれない感じ。多分無数のこういう出会い未満、みたいのを人々は繰り返して選択して愛したりセックスしたりしてる。人が生きて暮らしている以上は終わらない輪舞なんだなあ、と解釈した。(警備員さん=カイト?ともちょっと思ったけど。それはそれでおいしいけど)


 
 




 ※以下、その他オタク的な雑感※
 
・高木くん、顔ちっさい脚長い(当たり前)
・1景、多目的トイレのやつ ゴムした?って思ったけど多分カイトもってるな。クラブでナンパするタイプだし。財布に小銭全然入ってないくせにゴム入ってるタイプ。
・カイトとジャスミンのクラブでの会話は純粋に軽くてかわいくて生々しくて好き。あとまさか場面写真の指差しがゴム買ってくる宣言のとこだとは思わなかった。カイト、チャラいけど悪いやつではない。
・ていうか、ジャスミンの……「ラムさん」の映像を見つけたの、たまたまって言ってたけど最初からジャスミン狙ってたよね。(その時点では普通に好意だったのかもだけど)で、似たような映像を見たら本人パターン?歪むなそれは……(?)
・マサがジャスミンに迫る時の「ラムさん、」最高にクズだったし暗転前に掴んだ手があからさまに下に下ろされていくのが……鼓動みたいな音楽のボリュームが上がって、暗転するの。折衷案としての提案で手と口だったんだろうな……でもサヨこなかったらヤったのか?ていうかサヨ来る前にヤってんじゃないよ。まあ一発抜いとくか、みたいなアレか。天文学的性欲……
・サヨの「お手伝いさんとエッチした?」って聞いたやつ。家から出てきたジャスミン見てお察しだったんですかね。
・マサとサヨ、出会いはゼミのゲスト講師なのね。
・マサがサヨを口説くの、わざと素直な感じでやってんの、年上で自尊心高い作家先生の心をつかむにはこうした方がいい、って思ってやってそう。でも恋愛論の話の時は素で聞いてる感じ、精神的に子供でかわいい。マットレスもろくに畳めないし(場転のあれわざとですよね?)、旦那さんに俺の責任で言う!とか言っちゃうあたりが結局社会に出てないボンボン僕ちゃんでかわい〜。
・押し倒した時の手足の長さよ。
・勃ってる?からの我慢して?のところサヨが男の理想すぎてさすがミューズ。あの押し倒されてからの逆押し倒しが最高だった……。
・カイトは陽のヤリチン、マサは陰のヤリチン。

・4景、サヨが風俗行ったことある?と聞く直前、タツヒコが明らかにキスしようとしてたのが先を知るとちょっと笑える。確かめたかったのかな、自分がまだ普通か。
タツヒコ、サヨに「モテモテヤリチンヘテロセクシャル」的なこと言われてたけど違った。モテモテヤク中両刀バイセクシャル(多分)だよ。でもサヨもヘテロとか言うくらいだから知識あるけど自分の旦那が「そう」とは思わなかったんだなあ。
・休憩明けラスト「態度で示さなきゃ」(的なこと言ってた)からの先にドアの向こうにタツヒコが行って、ドアに寄りかかってバスローブの紐をわざとらし〜く外すマキ、めーっちゃよかった。ドア位置的に寝室ではないから風呂?かな。まあキマッたまま風呂、絶対危ないと思うし 両刀だけど精神的にはマキが抱いてる。
・ていうかキメセク。普通に流してるけどキメセク!?ってなるよ。サヨとマキは常習性なさげだけど、タツヒコいつからやってんだろう。死んだ恋人と付き合ってたあたりからやってました?いや、海外でやったのを忘れられなかったパターンか。海外は知らんけど日本は捕まりますよ。あとキメて飲酒してヤって風呂はいったら普通に死ぬと思う。
・妄想だけど5景でタツヒコは「せっかくの休みなんだから楽しまなくちゃ」って言ってたし、さすがにキメてるから宿泊してると仮定したら 多分サヨもどっか行ってるよね。それこそ"お姉さんと1泊旅行"とか行ってそう。知らんけど。
・なんというかショウジサヨがどんな感じのエッセイストなのかなんとな〜くイメージつく。女性読者に熱烈な支持を得てる又はめっちゃ嫌われてそう。離婚発表がネットニュースになってdisられるくらいだから、多分旦那とのエピソードでめっちゃエッセイ書いてた。ジンが出演したショウジサヨ原作「星々の女(って言ってた気がする)」の役、旦那さん(=タツヒコ)だったら面白いなあ。
・マキがオトナにドラッグある?って笑うとこ、めっちゃからっとしてて良かった。冗談、って言ったけどマジでキメセクとかやめなよ……タツヒコはマキと関係が切れてもまた新しいミューズ見つけてそう。破滅してください。
・ジンさん喫煙手慣れすぎて個人的にときめき。ライターで火つけた後に顔をもってって付けてるし火つけんの早すぎ。銘柄教えてください。ちなみにオトナが自分も欲しい、って言った時に自分がくわえて火つけたヤツ渡してんの、そのタイプのシガーキスはずるいな〜って思った。あとショウコの前で吸った時、"手が早い"の動きの前に灰皿に置く動き自然すぎ。あと会話しない時に煙吐く時ちょっと下に吐いてるの喫煙者だな〜。
・オトナ、言い方悪いけど思考回路めっちゃ女だな〜って思った。最初からジンが妻子持ちなのわかってるけど付き合ってるし(概念的にゲイだと思っていたにせよ)、タトゥーとかなんか色々アレした歌は作るし、「恋人いるの?って聞かないとこ」とか結構めんどくさい。あの歌に泣くジンも結構すごい。恋は盲目。
・ショウコとマカナがセックスしたか私には確信が持てなかった。ショウコがマカナを抱いた、のかな?マカナはショウコに指一本触れてなそう。泥酔した割に服ちゃんと着てたし。ジンの気持ちを知りたかったのかな。
・マカナが引っ越す話。六本木?で(ジャスミンとだよね)ルームシェアして仕事する。ルームシェアできるくらいだからジャスミンがカイトと別れた原因はマカナではなさそう。まあお互い他人とやることやってるし。お店ってなにやるんだろう。風俗じゃなくてスナックとかであってほしいけどそれで六本木住めんのかな……。この二人幸せになってほしすぎる……。
・時系列的にカイトとマカナが関係を持ってから、カイトはジャスミンと付き合って、別れた。ジャスミンはカイトがマカナと関係を持ってたことをいつ知ったのか。それとも知らないのか(マカナが一方的にジャスミンがカイトの彼女だと知っていただけの可能性もありそう)多分この9景の時点でもう家政婦辞めてるよね。
・あとほんとすいませんだけど、マカナとジャスミンは肉体関係あんのかな?あってもおかしくなさそう……男信用してないなら女にしたらいいんじゃないかな。
・マサとサヨ、サヨが離婚したから関係を続けるのかどうか。でも多分いつか別れるし、やがてマサがサラブレッドの社会的強者になったら次は若い女の子を弄びそう。自分がかつてサヨにしてもらったみたいに。





 
・帰宅したから言いますが、劇中登場ホテルに泊まっていたので普通に(……わたしこれから犯行現場に帰るの……???)ってなった。東京の夜景は綺麗でした。